びわ湖の水性植物帯における仔稚魚の生態 : ?仔稚 魚の生活場所について
著者 平井 賢一
雑誌名 金沢大学教育学部紀要 自然科学編 = Bulletin of
the Faculty of Education, Kanazawa University.
Natural science
巻 19
ページ 93‑105
発行年 1970‑12‑21
URL http://hdl.handle.net/2297/22311
93
びわ楜内湾の水生植物帯における仔稚魚の生態*
I仔稚魚の生活場所について
平井 賢
のうち内湾の仔稚魚の分布状態について述べる ことにする。
本研究のすすめ方については,京大理学部動 物学教室の森下正明教授・川那部浩哉助教授,
京大大津臨湖実験所の森主一教授・三浦泰蔵助 教授の助言に負うところが大きい。また,京都 大学生態学研究グループの方々には,研究を進 める過程で討論・批判をいただいた。ここに記 して感謝の意を表わしたい。
はじめに
びわ湖の沿岸部には,内湾または内湖とよば れる浅くて閉鎖的な水域が存在している。この ような場所は波浪が弱くおだやかで,水質も特 異的である。そして,ヨシ・マコモなどの挺水 植物や,エピモ・クロモなどの沈水植物が繁茂 し,その間には水生植物帯に特徴的なプランク
トン・付着動物・底生動物などが多数みられ
、る゜
びわ湖にすむ約50種の魚類のうち,ほぼ半数 のものは生活史の一時期または全期間を通じ て,この内湾の水生植物帯となんらかの形で,
関連をもって生活している。とくに春から夏に かけては,多くの魚の餌場や産卵場として,ま た仔稚魚や未成魚の生育場として,内湾の水生 ,植物帯は重要な役割をはたしているとされてき た。内湾にすむ成魚・未成魚にとって水生植物 壜帯の餌場としての意義については,すでに牧(
1964)の報告があり,また産卵場としての役割 についても古くから注目されている。しかし,
仔稚魚の生活場所としての意義については,ほ とんど研究がなされておらず,海洋の藻場の研 究とくらべれば,かなり遅れいるといわねばな らない。
そこで,この研究ではまず水生植物帯におけ る仔稚魚の生活様式を知ることを目的として,
、各種仔稚魚の生息場所と食性を調べることにし た。そして,各種仔稚魚の生活にとって,水生 植物帯という環境のはたす役割を検討し,特に 食物摂取に関連して,水生植物帯と結びつきの :深い種は何かを見出そうとした。本報では,こ
I調査の場所と用いた方法 1調査地域の概要
調査を行った場所はびわ湖南部の西岸に存在 する山の下湾(Fig.1)であり,湾の奥部が禁 漁区に指定されている。山の下湾は水深が4m までの浅い内湾で,湖岸部はほとんどが石垣で 囲まれている。そして,ヨシ帯の大部分は水深 が1m以浅であり,岸に近いところでは水位の 低い時期に底土があらわれる。
湖岸部には春から秋にかけて幅10~50mのヨ シ・マコモ帯が出現する。そして,ヨシの密度 の低いところやヨシ帯の周辺部には,5月下旬 ごろからクロモが繁茂してくる。また,岸近く の水の停滞するところでは,ヨシやマコモの問 にフサモ・マツモ・タヌキモなどの下生えがみ られる。いつぽう,湾の奥部の波の静かな浅域 には,4月下旬からエビモが現われ,とぎによ っては水深が2m程度の所まで,水面一面にな びくほど繁茂することがある。エピモの少なく なる6月ごろからクロモ・ヒシが多くなってく る。
このような植物の種類構成や出現の状態はい
*昭和45年9月16日受理 京都大学審査学位論文の一部
第19号昭和45年 94金沢大学教育学部紀要
つも一定であるわけでなく,年や場所によって 異ることもある。また,湖岸部でも水生植物の ほとんどみられない場所もある。
2調査の方法
おもな調査は1964年に,仔稚魚の出現期であ る4月から8月にかけて行った。
(1)調査地点の設定
内湾における仔稚魚の生活にとって水生植物 の役割は大きいものと思われたので,調査地点 は植生・離岸距離を考慮に入れて,湾の内外に つぎの6地点を選んだ(Fig.1)。なお,各地 点は標準水位で水深90cm以浅である。
セキショウモ・クロモなどがわずかにみら れるが,草丈は低い。泥底。
F-湾内の沈水植物帯。エビモが水面になび き,クロモも少しみられる。6月ごろから ヒメビシがあらわれる。水位の高いときは 背後にあるヨシ帯も冠水する。泥底。
(2)仔稚魚の採集法
水生植物帯,とくにヨシ帯では定量的な仔稚 魚の採集は困難であり,曳ぎ網。うけ網などを 用いることはできない。そこで,本調査では各 地点にトラップを2個ずつ設置し,4時間おき の24時間採集を10日ごとに行った。トラップは 縦1m,横0.5m,高さ0.9mの木枠に2m弱の 網目のサランネットを張ったもので,約60度に 開いた長さ5mのソデ網をつげてある。なおト
ラップの入口の幅は3cmである(Fig.2)。
このほかに,沈水植物帯では2m弱の網目の サランネットで2m×2mの面積を囲い,その 中の仔稚魚をタモアミですくいあげ,除去法
(Fishing-successmethod,DuLuRY,1951)
による密度推定を行った。また,補足的にタモ アミを用いた採集も行った。
lM
鰯艤
Fig.1Thesamplingstationswithtraps YamanoshitaBay,anditslocation thesouthbasinofLakeBiwa.
nn・101
、日
A-湾の外部で水生植物のない所。砂底。
B-湾の外部のヨシ帯中央部。まばらでは あるがネジレモ・センニンモなどの下生え がある。砂底。
C一湾内のヨシ帯で外縁から15m程度の所。
クロモの下生えがあり,場所によっては密 生する。泥底。
D-湾内のヨシ・マコモ帯で岸よりの部分。
クロモの下生えのほかスゲ。マツモ゜フサ モ・タヌキモ。ヒメピシなどが点在する。
泥底。
E-湾内で水生植物の少ない所。ネジレモ。
Fig.2Diagramoftrap.
(3)環境条件の測定
トラップによる仔稚魚の採集と同時に,各地 点で4時間ごとに水温。pH・溶存酸素量の測 定を行った。
(4)仔稚魚の識別
淡水魚の初期段階の形態については,岡田・
清石(1936,1937,1988),内田(1939),黒 沼(1941),中村(1949,1950)ほかの記載が あるが,これだけでは仔稚魚を互いに識別する
平井:びわ湖内湾の水生植物帯における仔稚魚の生態 95
ことは困難である。また識別法については横手
(1960)の資料があるが魚種が限られている。
したがって,ここでは以上の諸文献を参考に し,さらに鰭条数。斑紋などの形質を成魚から 順|‐さかのぼってつなぎ合せ,識別することに した。ただ,フナ類については1.3cm以下のも のの相互識別ができなかったのですべてフナと して扱った。しかし,この調査地点で採集した 1.3cm以上のフナはほとんどがニゴロブナであ り,また成魚の漁獲状態からみても,南湖では ニゴロブナが多いといわれている(牧,1964;
名越,未発表)ので,仔稚魚もニゴロブナが主 であると考えられる。
いる。さらに,湾内では沈水植物帯(F)が最も 高く,ついでヨシ帯の岸寄り部(D),ヨシ帯の
A
ニミルユニ|弓
876876876エ。
Ⅱ結果 1無機環境条件のあらまし
各地点で調べた水温。pH・熔存酸素量のう ち,それぞれの最高値と最低値の変化をFig.3 に示した。
水温の変化の形は各地点とも同様な傾向を示 しているが,調査期間を通じて湾外よりも湾内 の方が最高値,最低値とも1~3°C高くなって
AMjjAAMjjA
Monfh
Fig、3-2Seasonalfluctuationsofmaximum
(thickline)andminimum(thinline)
valuesofpHateachstation(A~F)
duringtheperiodofinvestigationin
l964.
(Qo 32 00 A 『へ。□
0000013213の」。←□」①。E①」』①←□三 [」
C ,
、←こ①←■。。“。 1JFL
E F
20
10 ̄AMjLJAAMJJ負
Monfh
Fig、3-1Seasonalfluctuationsofmaximum
(thickline)andminimum(thinline)
valuesofwatertemperatureateach station(A~F)duringtheperiodof investigationinl964.
AMUjAAMjjA
Monfh
Fig、3-3Seasonalfluctuationsofmaximum
(thickline)andminimum(thinline)
valuesofoxygencontentsateachstati-
on(A~F)duringtheperiodofinvesti‐
gationinl964.
96金沢大学教育学部紀要 第19号昭和45年
外側部(C),水生植物TablelPercentagecompositionoffryandjuvenileoffishes
takenbytwodifferentsamplingmethods・
のないところ(E)の順
Quadratesample Trapsample
に低くなる傾向を示 Junel6
Fishname Junel9
す。また,日較差は湾ab
の内外とも岸寄り部の AC〃Bi肋9"αメ伽s〃”COルノUz 131519 876 172118 002 534439 114 002 71210
方が大きくなっている。』.〃肋α pHは水生植物の存A・Gyα…が”α 在しないところでは中』.γ"o糀伽
R肋。C〃so“ノノα〃ss伽励i
J性からややアルカリ性
PSC"伽γas60γαp”Uα
を示し,水生植物帯でzaccDpルォソカガ`s
は中性ないしやや酸性 Caγαssiz6sspp、
に寄るという傾向がみ られる。日較差は湾内
Table2Thelistoffryandjuvenileoffishes で大きく,とくに沈水植物帯では変動の
collectedduringtheperiodofinvestigation,
幅が大きい。そして時には6.5~9.5と大 inYamanoshitaBay.
幅に変化することもある。A伽"。,"α伽s〃""・ルノa
yaritanago溶存酸素量は,水生植物の存在しないtabira A.”〃γα
kanehira A.γ肋”彫α
ところでは6cc/Z前後と比較的多く,日
ichimonjitanago A・Gwz”sが9,,8α
較差も小さくて安定している。これに対baratanag。Rho伽soceJm伽sⅧ施
して,水生植物帯とくに湾内の水生植物motsugo Psc泌伽γas助γapaγUa Bjzoazczeγcz
zezera
帯では,時期lこよって酸素量が変動し, honmoroko G"α"iQpDgo〃caeγ"彫s“"s
日較差も大きくなっている。そして,枕kawamutsuZacCDォc,""`j"晩ノ Zp〃な〃s 水植物帯では酸素量が1cc/Zとかなり少oikawa
kawabatamoroko He”,γα"”oqyp'7sγas肋γe"α なくなることがある。このような傾向は wataka lsc〃'んα”as伽"α晩eγ‘
牧(1964)の行った烏丸内湖の調査でもkoiCyPl'脚Scα,fpiO
CαγαSSi"Sc”αssz"s,γα"db“Jis
認められており,水生植物帯の特徴と考nigorobuna
gengorobuna C.解りj”ノ
えられる。Ms9"γ,z"sα"9噸JJjcα"。α〃sdojo
2沿岸部における仔稚魚の出現時期とsujishimadojoCo脇sオ“"jasノγ′αオa
Pαγas"”"sαso〃s
lnanalnazu
分布 hagegigiPe"cD6a9γ"s〃〃cjiC”s
トラップは魚の能動的な'性質を利用し medaka Oがziczsルノipes て採るために種によって,また同じ種でkamuruchiChα""α”g"s
yoshinoboriRルノクzoOo〃"s〃"““s も大きさによって捕獲率が異り,群れを
ukigoriCノクαe'zoOobjZ`s〃jRofae"jα 作るものでは入り方が集中的になると考
えられる。したがって,種間の個体数の比較や’性の検定結果渦=16.50((..f、=14,X2..05=
時間的な個体数の変化などを調べるためには,23.68》で両者の比率の間に有意差なし),また それらの資料では不十分であることを考えてお観察によると1.5cm以下の魚については,ごく かねばならない。しかし,トラップによって得初期のものをのぞいて遊泳速度に大きな差はみ られた仔稚魚の種別の個体数の割合と,付近をられない。したがって,仔稚魚については地点 囲いどりして得た仔稚魚の推定個体数の割合が 別・時期別の個体数を比較することは可能であ ほぼ一致しており(Table1,度数分布の均一ろうと考える。
平井:びわ湖内湾の水生植物帯における仔稚魚の生態 97
(1)仔稚魚のみられる時期
調査期間中に採集された仔稚魚は23種(Tab‐
Ie2)におよぶが,Table3にはこのうち個体 数の多かった12種について,2つのトラップの
合計個体数を示した。仔稚魚の出現する時期は 種によって違いがあるが,湾の内外というよう な場所による違いはほとんどみられない。
Table3SeasonalchangesofthenumberoffryandjuvenileoffishescaughtbytwoP trapsateachstationinl964.
|’ S鮒。、l儲'28-291胸'19-20129-30 蹄'19-20126-271 鞠'21-221鍔'17-18
Fishname
ABCDEF 00000 000000 000000 000000 014301 1648221 028935 14984021 11519211 001801 000110 120000
AG〃eiJog"α鋺泌sノα犯ceoJaオα
(yaritanago)
ABCDEF 00000 000000 000000 000000 000000 022800 0850351 0147191361 002930312 020201 011210 000000
A、fα〃γα
(tabira)
000000 000000 000000 000512 083144211 06730512 0138261 040212 030000
BCDEF 0000
上0
12 442 63
010591
A・G)ノα"0s",”α
(ichimonjitanago)
ABCDEF 00000
|i1l1hl:州
000000 000001A、,Bho"zbcα
(kanehira)
ABCDEF 00000
ill1li 1l31llI
055昭3蛆’001016 073094’00000JRノioC北"so“ノルオzjssソ,zj的ノ
(baratanago)
FV L」
)3194
ABCDEF 00000
illJll1l1Mlillll
000000PSC秘doγas的γαPαγUα
(motsugo)
ABCDEF 000101
lilMj州
、】【‐U【】【】、】【】 、】【】勺IL10LRJ 000000 nJnlURlJnlJ【lJnJG銘α肋qpoOD〃caeγ"化SCC"s
(honmoroko)
ABCDEF 00000 000000 000000 012010 000000 010020 0370121 26322211 44255867111 423809216373121 41567311112 220112
ZacCDpJaiyp6`s
(oikawa)
第19号昭和45年 98金沢大学教育学部紀要
000000 000000 000000 000000 0000081
000000 000000 000000 003518 001000
ABCDEF 00000 000000
1s醜‘んα〃as′“"czchcγ‘
(wataka)
24 69 100 31317
04056354132 01220924 012250231 0010082 00542728
0 13 109 212470 132
142280111693 13612759 000611
ABCDEF 008四2’ 006312177
OαγαSSZZ6Sspp.●
(funa)
U
ABCDEF 00000’’8別7妬四一 000000 000000 000000’7皿妬別釦朋 000000’9垢、9応蛇 000000|Ⅲ印胡別印的 000000 004000 016210 251 107178 221 10641 482975 123941PCJ伽Dagγ"s〃"〃cBpz`s
(hagegigi)
jliI 鱗 11蕊
ABCDEF
Rノbjjzo卯bj"s〃39""“s
(yoshinobori)
Oo00CO000002132-
=』=Lハ,凧'6-n
lJLi:i…
調査期間中(4月16日~8月18日)を通じて 採集されたものに,ヨシノポリとフナがある。
ヨシノポリは夏季に個体数が多くなっている が,全期間を通じて後期稚魚と未成魚が個体数 のほとんどをしめている。フナの場合個体数の 多い時期が2つにわかれている。まず5月中旬 に個体数の増加が起るが,体長分布(Fig.4)
からみると孵化直後のものが多く,この時期が 第1回目の産卵盛期であることを示している。
つづいて6月の中~下旬に個体数の減少が起る が,1964年のこの時期には降雨が少なく,水位 が低いため産卵の行われなかったことが原因と 思われる。そして体長分布をみても1cm以上の 大きな個体が多い.7月初旬にまた個体数の増 加が起るが,これは6月下旬に降雨による増水 があり,その時に産卵されたものであろう。
NAGosHI(1965)はゲンゴロウブナのモンドリ とエリ')による漁獲量の変動は,水温と降雨量 に関連していることを報告しており,友田(19 65)もニゴロブナについて同様のことを報告し ている。このようにフナの仔稚魚の出現時期
llnn
Mqy8-9 19-20■■ Mqy 28-30
O00O0dOo--OO2-102-622
Ⅲ血
June 9-10』のCこ』二二
JunOI9-20 一一一一,---戸一
n-,_二……
11+
JuIy8-gCロ』。毎ご■(、u》(刎凹》《唖山》(恥u》(、u》(、u》’(叩】)『(幻》(》李」・■■■▽
21-22
血l3I-AuO
- ̄■
Au9.17-18 一一一戸
510152025s0 BodyLengIh(m、)
Fig.4Length-frequencydistributionsofcru-
ciancarp(Caγαss2"Sc”αSWS,γα"do‐
“ノハ)caughtbythetrapatstationD,
duringtheperiodofinvestigation,1964.
平井:びわ湖内湾の水生植物帯における仔稚魚の生態 99
1.ミ,水温の上昇と降雨による増水に大きく左右 されるので,仔稚魚の出現時期は年によってい くらか異ると考えられる。
カネヒラとホンモロコは4~5月と出現時期 が早い。カネヒラは貝の鯛弁内で越冬した仔魚 が5月初旬から1ケ月ぐらいの間に一斉に宿主 から出てくるので,それ以後採集されるものは 成長して大きくなったものである。そして6月 下旬には採集されなくなる。ほかのタナゴ類は 産卵期が5月から7月であり(平井,1964),
仔稚魚は6月から8月中旬までつぎつぎと現わ れてくる。そして,個体数のもっとも多いのは 6月頃である。また,バラタナゴ以外のタナゴ 類は全期間を通じて,1.5cmをすぎる頃からほ
とんど採集されない。
出現時期が6月半ば以後と比較的遅く現われ るものにオイカワ・ワタカ・ハゲギギがあるが,
これらの間にも時期的にわずかのずれがある。
以上のように,内湾の水生植物帯の仔稚魚の
構成をみると,すべての仔稚魚が同時にあらわ れるのではなく,時期によって種類構成の変化
していくことがわかる。
(2)仔稚魚の生息場所
調査期間中に採集された当年魚の種ごとの全 個体数を地点別にまとめてTable4に示した。
同時に,地点間で個体数の多さに一定の傾向が あるかどうかを知るために,順位相関法(KEN- DALL,1962)を用い,調査期間中に採集された 仔稚魚の個体数を各回ごとに地点間で順位づ け,相関係数wをもとめて付記した。相関係数 wは0から’の間の値をとる。そして,’に近 いほど相間の程度が高く,そのとぎは地点間の 個体数の多さの順がよく一致することを示して いる。つまり,仔稚魚の多い場所と少ない場所 が時期によってあまり変らないことを示す。ま た,wが0に近いときは時期によって個体数の 多い場所と少ない場所の順位が変ることを示
す。
トラップによって得た標本の個体数は全種を Table4Totalcatchesoffryandjuvenileoffisheswithtrapsthroughouttheperiod
ofinvestigationinl964,andvaluesofrankcorrelationcoefficent,indicating
habitatpreferences.
(W)representstherankcorrelationcoefficentinmultipleranking.
Station
DEF(W)
Fishname
ABC ACルejJoO"αf〃s〃"CBOルオα
A・"〃γα A・GWzjzOs〃Owza A・ブダル0"zMz
R〃oc允泌socgJ肱伽ss梛肋ノ PSC"doγas肋γαp”"α G"αオノbOpD90〃caeγ"んSCC"s zzzccDpルオyp"s
Isc/b鱗α蝿asオCe"αcノセcγj
caγαssz〃Scαγαss雌sdeC.“zノノ”j Pe"co6a9”s犯"`jcBp2Js
Rhi'0090〃"s6γz`""c"s
器significantat5%1evel
419 017 410 15 469 046 329 46109 01 5124 6169 5141377
**significant
4531 2414 4058 3019 136176 019 1028 200172 04 40280 21242 954814 at1%level
884629025817588561577372112631221 ****************〈U『lFOF0CJC』44勺1(U44q〉nどqJq〉、己0Jワニ、。川丘o]q〉FDFo「1〈oF0FDかり7-万l44nJ04行1,504●●●●■●●●●●●●
15734186623920022239212921614612
1)モンドリはフナの産卵習`性を利用して捕獲する漁具で,これによる漁獲量の多いときは産卵の盛んに行われ る時期である。また,エリで多く漁獲されるときは産卵場である湖岸や内湖にフナが多く集まってくる時期で
ある。
第19号昭和45年 100金沢大学教育学部紀要
よって変化する。すなわち,ホンモロコの場合 は内湾の特定の環境と結びついて生息している のではないことを示している。
ホンモロコは4月から5月上旬に水生植物帯 で,浮遊物や柳の根などに盛んに産卵を行うこ とが知られており,また産卵に集まる個体の多 いことも知られている(牧,1964)。山の下湾 でもトラップを設置した付近には多数の卵がみ られる。しかし,トラップで採集される仔稚魚 は7~8,1m以下のものがほとんどであり,その 量も多くない。これはホンモロコの捕獲に対す るトラップの効率の問題もあると思われるが,
仔稚魚が比較的早い時期に湖岸を離れ,水生植 物帯に少なくなるためであろうと思われる。産 卵場付近でタモアミを用いて採集しても,タナ ゴ類やフナの仔稚魚は採集されるが,ホンモロ コはほとんど採集されない。また,過去に行わ れた早崎内湖。鳥丸内湖の仔稚魚の採集でもホ ンモロコはほとんど得られていない(琵琶湖生 物資源調査団報告((以下ES.T,報告と略す)),
1966)。このようなことから考えて,ホンモロ コは早い時期に水生植物帯から離れるものと思 われる。
オイカワ:この種は他種のように,湾奥部の 水生植物帯に特に多いという傾向は認められ ず,各調査地点で一様に採集される。順位相関 係数も仔稚魚の中ではもっとも小さく,時期に よって個体数の多い場所が変化することを示し ている。そして,ヨシ帯の外側(c地点)にも っとも多いこともある。また,観察によればヨ シ帯の外部で水生植物のみられないところにも 遊泳しているものをみかけ,さらに湖北部の波 浪の影響をうけやすいヨシ帯にも多くの群れが みられている。さらに,びわ湖に限らず河川の 岸辺にも多くみられる(名越ほか,1962)こと からみて,とくに水生植物帯に特徴的な種であ るとはいえないであろう。
ワタカ:産卵のために,ヨシ帯に多くの成魚 があらわれるが(牧,1964),仔稚魚はほとんど 採集されない。同様にMIuRA(1966)も,ワタ 通じて,湾の外部や水生植物のみられないとこ
ろでは少なく,水生植物帯に多いという傾向を 示している。しかし,個々の種を詳しくみれ ば,個体数の多い場所に違いがある。そこで,
つぎに種ごとに仔稚魚の分布状態を観察を加味 して検討してみる。
タナゴ類:タナゴ類の中てはバラタナゴの仔 稚魚が最も多く採集されたが,とくに岸寄りの エピモ帯やヨシ帯に個体数が多くなっている。
そして,水生植物の存在しないところよりも,
常に水生植物の豊富なところに個体数の多いと いう傾向を示し,その傾向は時期によってあま り変化しない。このことは,Wの値が1に近い ことにも示されている。カネヒラ・イチモンジ タナゴ・タピラもバラタナゴと同様に,湾奥部
の水生植物の豊富なところに多いという傾向が
みられる。しかし,採集された全個体数の割合 からみれば,水生植物の豊富なところにとびぬ けて個体数が多いとはいえない。したがって,生活場所がバラタナゴほど水生植物帯と結びつ
いているとはいえないであろう。ヤリタナゴも水生植物帯に多いが,他種とは異って比較的水
生植物帯全体で一様に採集されている。また,湖北部のひらけた沿岸の水生植物帯で採集を行 っても,他種とは異ってヤリタナゴの仔稚魚は 比較的多く採集される。
タナゴ類の仔稚魚は全般的に水生植物帯に多 くみられるが,漁港の奥部のように水生植物の 存在しないところにも生息することが観察され る。しかし,水生植物帯とその付近を比較すれ ば,今回の調査に示されるように,水生植物の 豊富な所により個体数が多い。したがって,こ のような場所が仔稚魚の生活にとって何らかの 意味を持っていると推定される。
モツゴ:内湾にのみみられるが,水生植物の ないところでも採集される。他種と比べると,
内湾とその周辺では個体数が少ない方である。
ホンモロコ:全地点で比較的一様に採集さ れ,また地点間の個体数の多さの順位は時期に
平井:びわ湖内湾の水生植物帯における仔稚魚の生態 101
力の幼魚は産卵場にみられず,水深2~3mの 泥底部にみられると述べており,水生植物帯は ワタカの幼魚の生活場所とはなっていないと考 えられる。
ハゲギギ:仔稚魚の個体数は湖岸が石垣で囲 まれている地点に多く,石垣から離れた地点ほ ど少なくなる。この傾向は相関係数Wの値の大 きいことからもわかるように,時期によってほ とんど変らない。このことはハゲギギの産卵場 が石垣の間などであり(宮地ほか,1965),そ こが仔稚魚の分散の中心地となっていることを 示すものであろう。
ヨシノポリ:ヨシノポリの仔稚魚は湖全域に 広くみられるが(ES.T・報告,1966),山の 下湾で採集されたのは後期稚魚か未成魚が多 い。個体数はいずれの地点でも多いが,とくに 沈水値物帯には多く,湾外の水生植物の存在し ない地点(A)の5倍,他の地点の2~3倍とな っている。しかし,Wの値はオイカワについで 小さく,地点間の個体数の多さの順が時期によ
って変化することを示している。
フナ:湾外部の水生植物の存在しないところ (A)ては,全期間を通してほとんど採集
されていない。これに対して湾の外部で もヨシ帯(B)てはわずかではあるが採集
体数は少ない。
全地点を通してみると,地点間での個体数の 多さの順は調査期間中変化は少なく(W=0.75 4),いつも内湾の水生植物帯に仔雑魚が多い。
同様のことは烏丸内湖でも調べられており(友 田,未発表),こうしたフナ仔稚魚の分布域か らみて,内湾の水生植物帯が生活場所として重 要であると考えられる。
(3)小さな範囲での生息場所
水生植物帯にはさまざまの仔稚魚がみられた が,多く種の間で出現時期や個体数の多い場所 が違っていた。それでも,ある一つの場所をと りあげてみると,本来別の場所に多い種も含め て,種々の仔稚魚がみられている。Fig.5は6 月中旬に,エビモ帯で4mPのクアドラート当り に採集された仔稚魚の個体数を示したものであ る。4㎡当りという範囲でみると,2つの場所 で個体数にほとんど差がみられない。つまり,
多くの種は比較的一様に分布しているようにみ える。しかしながら,さらに小さくみると,そ れぞれの種によって生息場所の異っていること が観察される。
Numberper4squoremefer
JlOO200300400500 0
されており,その付近にいくらかの仔稚4"wqgm的`Asノ、“αりわ
魚(多くのものカヨ1.5cm以上のもの)が4
ノbウノシヮ 生息してし、ることを示している。しか4 Gymps/>bmoノ同ウワロGI/s
し,湾内と比較すると個体数は少なく, oca"bノセノSS"wiIh/
水生植物のみられない地点(E)と比べてFb圏wbms6。'ロpanU
も個体数は少なし、。 (:''ヌヴガ鋳…'`'・
湾内では下生えの植物が水面になびく跡Q卯6ツヒハ,蛇"Wws ヨシ帯(D)と沈水植物帯(F)で個体数カミ
Fig.(
多い。Fig.4でみられたように,D地点では.
7月に孵化後まもない仔魚が多数採集されたの
で,合計の個体数では沈水植物帯よりヨシ帯の 1cm 方が多くなっている。しかし,全期間を通して トルα みれば個体数は両地点の間で大きな差はない。る。そ ヨシ帯の中でも下生えが少なく,水面になぴか存在す ないような地点(C)ては,D地点よりかなり個㎡を通
Fig.5Densityoffisheswiththeconfidence limit,attwodifferentplacesinthestation F(PCオα”DB加〃belt),June16,1964.
1cm以下のタナゴ類は,水面下数センチメー トルのごく表層で群れをつくって遊泳してい る。そして,いずれの種も水面に浮遊物が密に 存在するところよりも,水生植物の隙間が0.1
㎡を越えるような広い場所を活発に遊泳してい
第19号昭和45年 102金沢大学教育学部紀要
がみられるものなどといろいろな場合が考えら れる。そこで,まず各魚種の産卵場と仔稚魚の 生息場所の関係について検討してみる。
内湾の水生植物帯に集まって来て,水生植物 などの表面に卵を産着させる魚種にホンモロコ
・ワタカ・フナなどがある。(青柳,1957;牧,
1964;友田,1965)。これらのうち,ホンモロ コとワタカはフナと違って孵化後まもなく,産 卵場である水生植物帯で採集されなくなる。ワ
タカについてはMIuRA(1966)も同様のこと を述べており,幼魚は水深2~3mの泥底にみ られることを報告している。ホンモロコの幼魚 の生活場所は知られていないが,いずれにして もこれらの2種は水生植物帯を主とした生活場 所とはしていないようである。これに対してフ ナの仔稚魚は,産卵の行われた水生植物帯とそ の付近で,長期にわたって様々の大きさの幼魚 が多数採集される。このことは,フナが水生植 物帯を生活場所として利用していることを示し ている。なお,体長が4~5cmになる頃に,水 生植物帯から離れていくことが知られている
(MIuRA,1966)。
いつぽう,タナゴ類とくにヤリタナゴやタビ ラのように,産卵場が岸から200mも離れたと ころにおよぶものでも(平井,1964),仔稚魚 はほとんどが湖岸の水生植物帯やその付近で採 集される。このほかに産卵場から考えて水生植 物帯に集まってくると`思われるものに,河川の 砂礫地に産卵するオイカワ(宮地ほか,1963)
や,湖岸や川の石の下または湖中の貝殻に産卵 するヨシノポリ(B、ST・報告,1966)など があげられる。しかし,この2種は水生植物帯 に限らず湖岸に広くみられているので,水生植 物帯を生活場所の一部とする種と考えられる。
このように,産卵場と仔稚魚の生息場所が比 軟的一致しているものから,産卵場である水生 植物帯にはほとんどみられないもの,まわりか ら水生植物帯に集まってくると考えられるもの などがあり,産卵場と仔稚魚の生活場所の関係 は様々である。このことは,仔稚魚が種ごとの る。そして水生植物の近くに近づくことばな
い。オイカワについても,タナゴ類とほぼ似た 場所にみられるが,タナゴ類よりもやや下層に までみられ,そしてさらに開らけた場所でも遊 泳しているのがみられる。フナ(体長1.3cm以 下)の場合はオイカワやタナゴ類と異り,はっ きりとわかるような群れをつくらない。そし て,水生植物や浮遊物の大きな隙間にはみられ ず,浮遊物や水生植物の200~300cm2程度の小 さな隙間や,水生植物のすぐそばにみられる。
ヨシノポリはほとんどのものが水生植物の表面 におり,餌をとるときにその上から離れるのが 観察される。
このように同じ水生植物帯で採集される仔稚 魚も詳しく観察すれば,種によって生活様式の 異っていることが認められる。
議
Ⅲ論
内湾の水生植物帯には多くの仔稚魚がみら れ,また種によっては水生植物の豊富なところ に個体数の多いことをみてきた。いつばんに,
種によって生活様式の異ることはよく知られた 事実であるが,水生植物帯にすむこれらの仔稚 魚も生活空間や摂食などに対する要求は違った 形で現われることが考えられる。したがって同 じ水生植物帯で採集された仔稚魚でも,水生植 物帯の利用のし方や価値については,種によっ て異っているものと思われる。
そこで,ここでは各種仔稚魚の生活にとっ て,水生植物帯がどのように利用されている か,また水生植物帯の諸環境条件のうち,仔稚 魚の生息条件として適しているものとそうでな いものは何かを考えてみたい。
1各魚種の産卵場と仔稚魚の生息場所との関 係
水生植物帯では多くの種の仔稚魚が採集され たが,これらの中には水生植物帯をおもな生活 場所としているもの,生活場所の一部として利 用しているもの,さらに水生植物帯が産卵場と なっているため,単に分散の中心として仔稚魚
平井:びわ湖内湾の水生植物帯における仔稚魚の生態 103
要求に応じて水生植物帯に分布しているのであ って,生息場所が産卵場のみによって規定され ているのではないことを示すと考えてよいであ ろう。
2仔稚魚の生息場所とそこの環境条件との関 係
内湾やその付近の沿岸部にとどまって生活し ている仔稚魚は,水生植物の豊富なところに個 体数が多いか,または少なくとも他の場所と同 程度は存在することをみて来た。そこで,仔稚 魚の多くみられるこの水生植物帯について,各 種の環境要因のうち仔稚魚にとって,他の場所 と比べて適しているものとそうでないものは何 かを検討してみる。
水温は最高・最低値ともに内湾の水生植物帯 の奥部で常に高く,水生植物の存在しないひら けた水域がもっとも低かった。また,ヨシ帯の 外側部では水温もこの中間にあるが,奥部の状 態に近い。このような温度の勾配に対して,仔 稚魚も水温の高いところに多くみられている。
仔稚魚にとって適した温度範囲はわからない が,今回採集されたような温水魚にとっては,
水温の高い水生植物帯の岸寄り部は,より好適 な場所といえよう。しかし,8月のように水温 が80°Cを越える時期にも,水生植物帯がより 適した場所であるか否かの判断はできない。
溶存酸素量については,湾の内外,水生植物 の存否によって大きな差が認められ,仔稚魚の 生活にとって重要な意味をもつことが考えられ る。最高値については,一時期(6月下旬から 7月上旬)をのぞけば地点間で差は大きくない が,最低値に差が認められる。すなわち,湾奥 部の水生植物帯では溶存酸素量が夜間に少なく なることが多く,この調査期間中にも1cc/Zと いう低い値を示す日がかなりあった。また昼間 でも3cc/Zに達しないこともある。1965年に行 った内湾の調査でも,夜間に0.5cc//以下にな ることがしばしばみられており,水生植物帯は 湾外や,水生植物のみられないところと比べて 酸素条件は悪いことになる。
ニコルスキー(1963)は多くのコイ科魚類は 3cc/ノ以下の溶存酸素量にも容易に耐えうる が,とくにコイ・フナは0.5cc/Zでも生息する ことを述べている。またYAMAGIsHI(1965)
も実験でフナ稚魚の窒息する酸素量を0.3~0.4 cc/Zとしている。さらに,BLA豆KA(1958)は フナの代謝が有気的に行われる最低酸素量を 1.7cc//とし,それ以下では無気呼吸が加わり,
さらに0.2cc/ノ以下(residualtension)にな ると全く無気呼吸になることを報告している。
そして,水温が15~20°Cでresidualtension 下におくと,低酸素下の経歴をもつフナでは33 時間,高酸素下の経歴をもつフナでも2~3時 間は生息できることをみている。したがって,
水生植物帯の溶存酸素量でも,フナにとっては 生息可能な範囲にあるといえる。しかし,無気 呼吸をしなければならないような状態にあるこ
とは,他の地点と比べて決して有利な状態にあ るとはいえないであろう。このことはフナ以外 の魚種にとっても同様であると考えられ,酸素 条件に関しては仔稚魚の多い湾奥部の水産植物 帯は適した条件にあるとはいえない。
水生植物帯が仔稚魚の隠れ場所としてはたす 役割については,調査を行わなかったので明ら かでない。ただ,魚食魚であるハスは,内湾の ひらけた水域までは近づくが,水生植物帯まで は近づかないことが知られている(牧,1964)。
しかし,水生植物の間にはヨシノポリが多く,
フナ仔稚魚をかなり捕食することがある。
以上,水温・溶存酸素量・隠れ家に関して検 討したが,これらの条件に関する限り仔稚魚が 水生植物帯に生息する積極的な理由になってい
るとは思われない。
まとめ
びわ湖の内湾水生植物帯には多くの仔稚魚が みられるが,仔稚魚の生活場所としての水生植 物帯の意義を知ろうとした。本報では,内湾に おける仔稚魚の分布状態について述べた。調査 は1964年4月から8月にかけて,びわ湖南部に
第19号昭和45年 104金沢大学教育学部紀要
いものなど様々で,種によって分布域の広さは 異っていた。また,遊泳層や小さくみた生息場 所にも種によって違いがみられた。
3種々の仔稚魚,とくにフナの仔稚魚の多 い湾奥部の水植物帯について,仔稚魚の生活場 所としての環境条件の意味を考えてみた。水生 植物帯は他の場所と比べ,水温・溶存酸素員に 関しては,仔稚魚にとってとくに好適な場所で あるとは考えられない。むしろ溶存酸素量は仔 稚魚にとって不利に働いていると考えられる。
存在する山の下湾で行った。
1水温は水生植物帯の岸寄り部でもっとも 高く,湾外部の水生植物の存在しないところで もっとも低い。溶存酸素量は水生植物帯の岸寄 り部で,夜間に大きく減少することがある
2内湾とその周辺で23種の幼魚がトラップ によって採集された。そのうち約10種が水生植 物帯に多くみられた。仔稚魚の中にはオイカワ やヨシノポリのように沿岸部に広く分布するも のから,タナゴ類のように水生植物帯に多いも の,フナのように水生植物の豊富なところに多
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平井:びわ湖内湾の水生植物帯における仔稚魚の生態 105
Ecologicalstudiesonfryandjuvenileoffishes ataquaticplantareainabayoftheLakeBiwa
LOnthedistributionoffishlarvae
Ken-ichiHIRAI
Thepresentinvestigationhasbeenundertakentostudythedistributionand foodhabitsoffryandjuvenileoffishes,inrelationtoenvironmentalconditions,in
thelittoralareaofabayofLakeBiwaOnthebasisofthesestudies,theauthor
attemptedtogiveaconsiderationoftheroleofaquaticplantareasfortheirlife・Inthispaper,thedistributionoffishesandtheenvironmentalconditionsinthebaywere
reportedThesurveywascarriedoutfromApriltoAugust,1964,atthelittoral areaofYamanoshitaBay・Samplespecimensofthefisheswerecollectedwithasmall traplikeapoundnetwith2mmmeshnet,setontheaquaticplantarea・Atthe sametime,watertemperature,pHanddissolvedoxygencontentmeasurmentweremade.
(1)Intheinnerpartrecessofthebay,wheretheaquaticplantsgrowthick,the watertemperatureisslightlyhigher,andamountofdissolvedoxygenismarkedly
lowerthanthoseinotherpartsofthelittora1.
(2)Twenty-threespeciesofjuvenileoffishwerecollectedduringtheperiodof investigation,ofwhichabouttenspeciesweremoreorlessnumerousandtherestof spescieswererareinthebay・Oftheabundanttenspeciesoccurringinthelittoral,a fewspeciessuchashonmoroko,G"αノル”090〃caeγ"んSc"sandwataka,JSclzjノセα"ノアα sZee"α晩”Zmaynotstayoveralongperiodoftimeinthevegetatedlittoral,and
leaveforanoffshoreareaintheirearlystageoflife・Oikawa,ZaccoPJa加勿sand Yoshinobori,R〃"ogo5j"s5γ"""e"saredistributedwidelyinthelittoral,althoughthey
aremoreabundantinaquaticplantbelts・Onthecontrary,funa,C(zγαSSi"Scαγαssj"s
tendtodistrictitshabitattothesubmergedplantbelt.(3)Fromthepointofviewofanaffectationofabioticenvironmentalconditions,
itseemsthattheaquaticplantbeltwherethefishlarvaewereabundantisnot
necessariyfittedhabitatforthefishlarvae.